気仙沼市
第1日目(平成24年11月5日(月))は、宮城県気仙沼市を視察して参りました。
①気仙沼沿岸部
②非営利活動法人ネットワークオレンジ様
③鹿折唐桑駅周辺・舞根地区
①気仙沼沿岸部
気仙沼市の沿岸部です。
瓦礫は、撤去されてはいるものの、建物の基礎の部分が剥き出しの形で残ったままでした。
1年以上が経過した現在においても、未だに建物の解体作業が行われておらず、内部の鉄骨がむき出しのままになっている建物さえ見受けられました。
所々で山のように積まれた瓦礫の撤去作業も行われていました。撤去された瓦礫は、大きな袋のまま、車道に沿って置かれていました。
②非営利活動法人ネットワークオレンジ様
特定非営利活動法人ネットワークオレンジ様は、平成15年1月に設立された団体です。
「障がいのある人も、ない人も、みんながまちづくりの主役だ」というテーマを掲げ、市民のニーズに沿った厚い支援を行っておられます。
震災後の対応等について
震災から1週間後に安否確認をしたところ、利用者・職員全員無事だったとのことでした。もっとも、障がい者の方々は、震災後、多動や奇声をあげる等という症状が出てしまい、避難所では生活ができず、車の中で1週間を過ごしていた等といった情報も同時に入ってきたそうです。これについては、即、課題として取り上げ、対策を立て、それを実行していったとのことでした。震災により、2つの事務所が全壊してしまいましたが、代表理事の小野寺様の(海岸から1キロ以上離れた高台にある)ご自宅を震災の3日前からグループ・ホームとして活動開始していた関係で、震災12日目に17名の障がい者の方々に自宅(グループ・ホーム)を開放し、温かいカレーを振舞うことができたそうです。
感想
お話をしていく中で、利用者や地域の方々のニーズを敏感に感じ取り、そのニーズを満たすべく積極的に活動していることが強く伝わってきました。また、事業を運営するにあたり様々な工夫が施され、利用者の方々にも地域の方々にも必要とされている福祉施設であると感じました。上2枚の写真は、利用者の方の絵を活用したレターセットや一筆箋です。施設の一角(施設入口付近)を使用して販売されていました。この他に、”駄菓子”が販売されていました(写真 下・一番右)。利用者の方が作った手芸品やお花等を販売しているという施設へ視察をしたことはありますが、そういった商品ではなく、駄菓子を販売しているという施設は初めてでした。なぜ福祉施設で駄菓子を販売するか、その答えは、「利用者の方々が売ることを通して”地域とのつながり”を見出すことを目的として行っている」ということでした。
③鹿折唐桑駅周辺・舞根地区
鹿折唐桑駅周辺
鹿折唐桑駅周辺には、気仙沼の象徴となっている船、船艦「第十八共徳丸」がありました。住民の方々は、震災当日、ぐるぐると旋回しながら付近の家々を壊したこの第十八共徳丸を見ると鮮明に記憶が蘇ってしまうため、「早く片付けて欲しい」と強く希望しているそうです。しかし、「震災の悲惨さを後世にも伝えるべく、シンボルとして残す」との意見もあり、撤去するか否か検討中であるとお伺いしました。
舞根地区
舞根(もうね)地区には、地元の方にご案内をしていただき、視察をすることができた土地です。
全く波が立たないという、非常に穏やかな海が見えました。周辺では牡蠣の養殖が行われているそうです。震災以前、舞根地区には豪邸が立ち並んでいたとのことですが、そういった住居も含め、この地区の建物は全壊したとのことでした。舞根地区は、何百人規模の集落であり、長がいらっしゃったそうです。長がいたことにより、規律正しく行動でき、住居が全壊したにもかかわらず、震災による犠牲者を一人も出さなかったとお伺いしました。