平成25年度地域振興助成 事例紹介
事業の名称 | 地域資源を活かした郷づくり |
実施団体名 | 国頭村環境教育センター やんばる学びの森(運営:NPO法人国頭ツーリズム協会) |
協力団体名 | 田嘉里山筆者会 |
実施場所 | 大宜味村・国頭村他やんばる地域 |
実施期間 | 平成26年1月~平成26年12月 |
定型報告書 |
・定型報告書 |
評価ポイント | 地元やんばる地区の保全・振興活動に熱心に取り組む中で、若年世代との交流の機会を積極的に設け、世代間・時間軸に広がりを持った地域振興活動を展開している点 |
評価ポイントが顕著な別紙報告 |
・報告書別紙 昔の田嘉里地域模型作り ・報告書別紙 第3回山筆者会研修会報告書 |
実施団体ご紹介
国頭ツーリズム協会様は、ヤンバルクイナやヤンバルテナガコガネなどの特別天然記念物に代表される生物多様性に富んだ沖縄本島北部の国頭村において、1997年より地域資源の保全と持続可能な利活用を追求したツーリズムの展開、これらを担える地元の人材育成に尽力されている団体です。 2007年には国頭村より国頭村環境教育センター「やんばる学びの森」の指定管理者として運営業務を委任され、やんばるの自然に対する理解を県内外の人々と広く共有し、次世代に繋げていくため様々な年齢層・団体の研修活動を積極的に受け入れ、地域資源の保全と発信に邁進されています。 弊財団の平成25年度地域振興助成事業においては、隣接する大宜味村田嘉里における地域振興を主たる目的として、田嘉里山筆者会の方々と共に取り組んで頂きました。 |
取組内容のご紹介及び弊財団の注目点
実施期間である平成26年1月から同年12月末までの間、国頭ツーリズム協会様では下記4つの内容に関して取組んで頂きました。全ての取組内容に対して別紙報告書にて非常に詳細なご報告を頂き、当初の目的の実現に向けて着実に歩まれていることを確認させて頂きました。
ここでは、これらの取組の中でも特に②及び④の内容に関して、弊財団が注目させて頂いたポイントをご紹介をさせて頂きます。
① | “林道パトロール”を実施し山の環境・動植物の実態を知り、持続可能な自然環境の保全・利活用を考える。 | |
② | 「国頭村環境教育センターやんばる学びの森」及び自然・歴史・文化の専門家を招へいし、研修会を開催する。 | |
③ | 地域産業市を“グラの郷田嘉里むん市”実行委員会と共催して、自然および地域の今昔写真展、環境整備を実施する。 | |
④ | 子どもから大人まで参加できる「一年間で作り上げる“昔の田嘉里地域模型”作り」を通して異年齢交流の場とし、地域の自信と誇りを育む。 |
②研修会の開催における注目点
・当初、田嘉里地区の振興事業に関する有志の方々が中心となって参加されていた研修会であったが、回数を重ねるにつれてより多くの方が参画しやすいよう様式を変え、
最終的には地元の小学生から高校生に至るまでの若い年齢層の参画が見られたこと。
・参加人数が増え年齢層が厚くなることに伴い、異年齢間の交流の場となったこと。
④「一年間で作り上げる“昔の田嘉里地域模型”作り」における注目点
・地元の魅力の再発見しこれによる交流を促す効果が認められたこと。・見学者としてではなく、模型作りの主体として地元の若者が参画するまでに至ったこと。
終わりに
平成25年度の地域振興助成事業10件のご報告内容を財団内で評価させて頂いたところ、掲げられた目標に対して邁進されているという点ではどれもが甲乙つけがたい取組内容でありました。この度はこれらの中でも特に、地域振興活動に地元の若年世代を包括した点に注目し、事例紹介を行わせて頂きました。
国頭ツーリズム協会様では設立の目的として「地域の資源(自然環境や歴史、文化、人材 など)を適正に利活用し、次世代へ責任を持って継承していくこと」を掲げられています。今回の取組の中でもこの設立目的を非常に大事にして取り組まれていることが伺えました。
若年世代との交流の機会を積極的に設けて頂き、若く熱意ある振興主体を生み出していくことに繋げ、世代間・時間軸に広がりを持つ地域振興活動として頂く。数ある地域振興の取組の中でもこうしたアプローチにより地域の活性化に寄与することが、今後の弊財団の役割ではないかと考える次第です。